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この記事を読んでいるあなたは、
◎ 浮気を防止するための誓約書は、どのようなもの?
◎ カップルの間で誓約書を交わす効果やメリットは?
◎ 誓約書を作成するときの注意点や書くべきことについて知りたい
このように思っているかもしれません。
パートナーに浮気されないかどうか、不安になる人も多いでしょう。特に一度浮気されたことがある人や、パートナーに浮気癖がある人は、なおさら心配になるはずです。
婚姻関係にある夫婦と同じように、カップルの間でも浮気を防止するための誓約書を作成できます。
この記事では、カップル間で交わす誓約書とはどのようなものか、作成の手順や記載すべき内容と共に解説します。
またカップル間で浮気防止の誓約書を作成するメリットや効果、注意点もお伝えします。
浮気防止の誓約書を作成するか迷っている人は、この記事を参考にイメージを膨らませてみてください。
目次
カップルの間で交わす誓約書の種類は、以下の4つです。
◎ 浮気防止の誓約書
◎ 婚前契約書
◎ 夫婦財産契約書
◎ 事実婚誓約書
順番に紹介していきます。
この記事で紹介している浮気防止の誓約書は、カップル間で浮気に関する約束やペナルティなどを記載する書類です。
具体的には、「これ以後は浮気しない」「浮気した場合は〇円の慰謝料を支払う」などの内容を記載します。
カップル間で交わす誓約書は、夫婦間のものとは異なり法的効力を持っていません。
しかし口頭で約束を交わすだけでは、後から事実を確認できないためトラブルになる恐れがあります。また口約束で済ませてしまうと、どちらかがその場を丸く収めるために適当な嘘をついてごまかすケースも少なくないでしょう。
そのためカップル間であっても、口約束ではなく浮気防止の誓約書を作成して、話し合った内容を書面に残しておくのは有効です。
婚前契約書は、婚姻関係を結んでいないが夫婦になる予定の2人が、財産などについての取り決めをする契約書です。
たとえば、特有財産や共有財産などの財産の帰属や処分の方法、婚姻費用や家事などにかかる債務などについて記載します。また、離婚した際の対応についても決めて、記載する場合があります。
結婚前の時期は、楽しい気分でいっぱいのカップルも多いでしょう。しかし、いざというときにトラブルにならならず納得して対応できるよう、あらかじめ財産について取り決めておくのも大切です。
婚前契約書は、当事者が自ら作成するだけでなく、公証人をたてて公正証書として作成することも可能です。
公正証書は、法律実務の経験を持つ公務員が公証人となって作成する文書で、公文書として認められます。そのため法的な信頼性が高く、裁判などの証拠として活用できるメリットがあります。
夫婦財産契約書は、結婚する前の時点で、民法で定められた法定財産制とは異なる財産関係を契約によって定める文書です。
夫婦財産契約書では、たとえば以下のような内容を取り決めます。
◎ 婚姻前の特有財産
◎ 婚姻後の特有財産と共有財産
◎ 別居時における婚姻費用の負担
◎ お互いの債務の負担義務
◎ 離婚についての取り決め
夫婦財産契約書は、婚姻費用をそれぞれが負担すると定めたり、夫婦のどちらに属するか分からない財産の帰属を決めたりできます。
誓約書ではなく契約書なため、結婚予定の両者が内容に合意して、署名・押印する必要があります。
事実婚契約書は、法的な結婚をせずに共同生活を続けるために作成する文書です。
最近増えている事実婚には、互いの名字を維持できる、民法における取消権が適用されないなどのメリットがあります。そのためそれぞれが自由に契約を結ぶことができます。
一方で、法的な結婚には認められる権利が、事実婚だと認められないのが大きなデメリットです。
たとえば事実婚だと配偶者の相続権がなかったり、パートナーの医療やケアに関する方針決定に関われなかったりします。
そのため、事実婚契約書によって、あらかじめ以下のような内容を定めておくのがおすすめです。
◎ 相続先を明らかにしておく
◎ 医療やケアの方針決定
◎ 同居協力と支援の義務
◎ 貞操義務
既存の法律では十分に守られないからこそ、自分たちできちんと事実婚誓約書を作成すると安心です。
カップルで浮気防止の誓約書を作成する効果・メリットは、以下の3つです。
◎ 浮気した証拠をきちんと残せる
◎ 浮気の再発を防止できる
◎ 関係性を築く覚悟を共有できる
1つずつ紹介していきます。
誓約書を作成することで、浮気したという証拠をきちんと残すことができます。
浮気の事実が証拠として残っていれば、パートナーが後から言い逃れしたり逆ギレしたりするのを防げるメリットがあります。
中には、浮気が発覚した直後は下手に出て誤ったにもかかわらず、少し時間がたつと何事もなかったかのように振る舞う人もいるでしょう。
パートナーが嘘をついたとしても、証拠がなければ第三者に判断してもらうこともできません。
そのため、どのような浮気をしたか、本人は浮気を認めている旨などを書面に残しておくのが重要です。
法的効力はありませんが、少しでも自分の身を守るために、誓約書を作成するとよいでしょう。
誓約書を書かせることでパートナーに心理的なプレッシャーをかければ、浮気の再発防止が期待できます。
誓約書を作成する時間そのものが、パートナーに自分がおかした罪の大きさを自覚させ、反省させる時間になります。
また口頭で「二度と浮気はしない」と約束しても、時間とともにその覚悟や記憶は薄れていく場合がほとんどです。
書面で約束を交わし、具体的な禁止事項やペナルティなどを決めておけば、再発防止に向けたより具体的な行動を取ることができます。
大げさに感じる人もいるかもしれませんが、あなた自身が安心して再出発するためにも、書面上で具体的な約束を交わしておくのがおすすめです。
誓約書を作成することで、浮気によって一度崩れた関係を再構築する覚悟を共有できます。
誓約書に記載する内容を決める話し合いの中で、なぜ浮気してしまったか、どのように対処すればよかったかなどを話し合う時間が生まれます。
他にも、お互いの本音を聞く時間が生まれ、より一層理解を深める機会になるかもしれません。
最後に誓約書へ署名・押印すれば、同じことを二度と繰り返さないという共通の覚悟が生まれるでしょう。
カップル間の誓約書には法的効力がないため、ある種の儀式のようなものだと捉えることも出きます。
しかし新たに2人でスタートを切るためには、じっくりお互いに向き合って、決意を新たにする時間はとても大切です。
カップルで浮気防止の誓約書を作成する際の注意点は、以下の2つです。
◎ カップルの誓約書に法的効力はない
◎ 18歳未満は親権者の同意が必要
順番に解説していきます。
カップルの間で作成する浮気防止の誓約書には、法的効力がないため注意が必要です。
誓約書に「二度と浮気しない」と誓ったり慰謝料の金額を約束したりするのは、カップルの間で認識をそろえる意味合いが強いといえます。
2人で話し合ったり第三者に仲介してもらったりする際の参考にはなりますが、裁判などにおける証拠としての信憑性は低い傾向です。
たとえば「次に浮気したら50万円請求する」と記載してあっても、夫婦ではないカップルの関係を法律で拘束するのは難しいでしょう。
ただし、既に婚約していたり事実婚していたりするカップルであれば、例外的に誓約書が認められる場合があります。
未成年が誓約書を作成する際は、親権者の同意が必要となります。
民法5条によれば、18歳未満の人が誓約書を作成した場合、親の同意がなければ、後から本人や親権者が誓約書の効力を取り消すことが可能です。
たとえ高校に通わず働いていたとしても、年齢が18歳に達していなければ等しく親権者の同意が必要となるため、注意してください。
一方で18歳未満であっても、カップル間で話し合った決めごとを書面で残しておくのは、トラブルを防ぐために効果的です。
後から「言った」「言わない」と揉めることがないよう、きちんと話し合った内容は目に見える形で残しておくとよいでしょう。
浮気防止の誓約書を作成する方法は、以下の3ステップです。
◎ ステップ1:カップルで話し合いする
◎ ステップ2:誓約書に記載する内容を決める
◎ ステップ3:署名・押印し、受け渡す
順番に紹介していきます。
まず、誓約書を作る目的や背景などを、カップル間で話し合う必要があります。
必ずしもはじめから、カップルの両者が誓約書の作成に必要性を感じられているとは限りません。
そのため誓約書を作成したい側が、その必要性や作成の意図などを説明するのが大切です。
「誓約書」と聞くと難しいものや硬いものだと感じ、作成に反対する人もいるでしょう。
そのため、現在2人の間に起きている問題点や目指す方向性を整理したうえで、誓約書を作成する必要性を論理的に伝えるのが重要です。
両者が納得して誓約書を作成できるよう、お互いの気持ちをきちんと話し合う時間を設けましょう。
誓約書を作成すると決まったら、記載する内容を話し合います。
具体的には、禁止する行為や約束をやぶった場合のペナルティなどを内容に盛り込むとよいでしょう。結婚を前提に付き合っているカップルや事実婚のカップルであれば、別れる条件や財産分与などについても記載しておくのがおすすめです。
ただし、誓約書は法的効力を持っていないため、記載した内容を相手に強制することはできません。あくまで両社が合意できる内容を記載するように注意しましょう。
誓約書の内容が決まったら、実際に書類を作成し、誓約者が署名・押印します。
誓約者が署名・押印した誓約書を相手に受け渡し、すべての工程が完了です。
誓約書は契約書と異なり、両者が署名・押印するものではありません。誓約者が署名・押印して相手に渡すことで、約束が成立するという形式の書類です。
話し合った内容が時間とともに薄れていかないよう、2人で定期的にチェックする時間を設けるのが効果的でしょう。
カップルが浮気防止の誓約書に記載すべき内容は、以下の5つです。
◎ 浮気した事実
◎ 浮気を繰り返さない約束
◎ 禁止する具体的な行動
◎ 再度浮気した際のペナルティ
◎ 別れる条件
1つずつ解説していきます。
誓約書には、必ず浮気の事実があったことを記載しましょう。
このとき重要なのは「浮気した」という曖昧な書き方ではなく、「不貞行為があった」など具体的に記載することです。
いつ、どのような場面で、何回程度浮気があったか、分かる範囲で細かく記載するとよいでしょう。
一般的に浮気と認められるのは、不貞行為があった場合に限られます。また浮気の回数が多いほど、慰謝料を高く請求しやすい傾向があります。
浮気防止の誓約書は法的文書ではありませんが、裁判などでの判断基準にのっとって作成すると安心です。
またパートナーが不貞行為していた証拠を確実に集めたい人は、個人で捜索せずに、探偵事務所へ依頼するのがおすすめです。
安全な方法で、より信憑性の高い証拠を集めることができます。
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誓約書を作成する際は、書面できちんと「今後は浮気しない」と約束させるのが大切です。
現在の相手とだけでなく、他の不倫相手も含め、不貞行為は一切行わないと約束させましょう。
今後はうわきしないと約束したにもかかわらず、パートナーが再度浮気した場合は、被害者のあなたが有利な条件で交渉を進めやすいです。
また誓約書を使って「二度と浮気しない」と約束したのに再度不貞行為をした場合は、行動が改善される見込みが低いです。
別れることも視野に入れて、今後の関係性やペナルティについて話し合うとよいでしょう。
誓約書には、禁止する行動を具体的に記載するのが重要です。
たとえば「浮気相手とは関係を断つ」といっても、再び密会して「不貞行為はしていない」などの言い逃れをしようとする可能性があります。
そのため、以下のような内容をきちんと書面上で約束しておきましょう。
◎ 連絡や密会を禁止する
◎ 不貞行為を禁止する
◎ SNSでのつながりを断ち、連絡先を削除する
◎ 仕事でかかわりがある場合は、私的なコミュニケーションを禁止する
またできる限り、浮気相手にも誓約書にサインしてもらうのがおすすめです。
パートナーが約束を守ろうとしても、浮気相手が再び言い寄ってくる可能性もあるため、それぞれと誓約書を交わすのが安心です。
誓約書には、再び浮気した場合のペナルティについても記載します。
たとえば、「再び浮気が発覚した場合は慰謝料として100万円支払う」など、具体的な内容まで決めておきます。
具体的な慰謝料の金額などが決まっていれば、不貞行為につながり得る些細な行動でも、ストップがかかりやすくなるのがメリットです。
ただし、慰謝料の金額やペナルティの重さが大きすぎると、誓約書に同意してもらえない可能性があるため注意が必要です。
誓約書に記載する慰謝料の金額は50~300万円が相場といわれているため、参考にしてみてください。
パートナーと別れる条件をあらかじめ決めて、誓約書に書いておく方法もあります。
「もう一度浮気したら別れる」などの口約束だと、その場で相手にごまかされたり、自分の意志が揺らいだりする恐れがあります。
そのため、別れる条件を決める場合は、誓約書に書いて残しておくと安心です。
結婚を前提に付き合っているカップルや事実婚のカップルは、別れる際の財産分与などについても書いておくと、後からトラブルになるのを防げます。
ただし、誓約書にはカップルを別れさせる強制力はありません。正式に分かれる場合は双方の合意が必要となることを、認識しておきましょう。
浮気防止の誓約書について、カップルで円満に話し合うためのポイントは以下の3つです。
◎ じっくり話し合える時間・場所を確保する
◎ 建設的な話し合いを心がける
◎ 第三者に仲介を依頼する
1つずつ解説していきます。
カップルで大切な話し合いをする際は、じっくり話し合える時間や場所を確保しましょう。
周りがざわざわしていて聞こえづらい環境や、後ろに予定がつまっている状態だと、相手の話をじっくり聞くことができません。また、自分の話を順序だてて丁寧に伝えることも難しいです。
静かでリラックスできる場所を選び、後ろに予定がつまっていない日に話し合うようにしましょう。
外からの干渉を減らすために、スマートフォンの電源を切るのもおすすめです。
またいきなり話を切り出すと、予定が空いていたとしても相手の心の準備ができていない場合もあります。
「来週の〇曜日、1時間ほど話し合いの時間を取ろう」というように、あらかじめ日程を相談して決めておくのがよいでしょう。
浮気防止の誓約書について決める際は、建設的な話し合いを心がけるのが大切です。
特に浮気について話し合う際は、お互いに感情的になりやすいことが予想されます。
しかし感情的に離してしまうと、むやみに相手を攻撃したり、相手の話に耳を傾けられなかったりするため、傷つけあうだけで終わってしまいます。
意味のある話し合いにできるよう、感情をぐっと我慢して冷静さを保つのが重要です。
話し合いの前にリラックスできる飲み物を飲む、自分の気持ちを整理しておくなどして、落ち着いて臨めるよう準備しましょう。
またパートナーに対しても、「大事な話だから冷静に話し合おう」などの声掛けをして、認識をそろえるのが重要です。
2人で冷静に話し合うのが難しい場合は、第三者に仲介を依頼する方法もあります。
カップル間の話し合いが感情的になってしまい、誓約書の内容を決められない場合は、信頼できる第三者に立ち会ってもらうのがよいでしょう。
両者の話を中立的に聞ける友人・上司や、カウンセラーなどの専門家を頼るのがおすすめです。
どちらかの親や仲の良い友人など、冷静に状況を判断するのが難しいと考えられる第三者は、かえって事態をややこしくするため注意してください。
第三者の仲介をパートナーに提案する際は、「信頼できる〇〇さんにお願いしよう」のように具体的な名前を出して話すのが有効です。
パートナーも仲介してもらうイメージがつきやすくなるため、建設的な会話ができる可能性が高まります。
この記事では、カップル間で交わす誓約書とはどのようなものか、作成の手順や記載すべき内容と共に解説しました。
またカップル間で浮気防止の誓約書を作成するメリットや効果、注意点についてもお伝えしました。
浮気防止の誓約書は、カップル間で浮気に関する約束やペナルティなどを記載する書類のことです。法的効力はありませんが、約束した内容を振り返れる形で残せたり、作成の過程で、きちんと話し合う時間を取れたりするメリットがあります。
この記事を参考に、浮気防止の誓約書を作成するかどうかを検討してみてください。